闇色のシンデレラ
『壱華、おいで』



……叔父さん?



『こっちよ、壱華』



隣に並ぶ女の人は誰?


おばさんかな。



『少しだけ、お留守番お願いできる?』



ううん、違う。


そこにいるのは、お父さんと、お母さん。



『じゃあいってくるね。すぐ帰ってくるから』

『いってきます、壱華』



2人は、仲良く手を繋いで遠いどこかに行こうとする。


……どこに行くの?


やっと会えたのに、置いて行かないで。


離れて行こうとしないで。


待って、待って───



「独りに、しない、で……」
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