闇色のシンデレラ
SIDE 壱華



ガタガタと雨戸を揺らす強い風。


不気味な風音は空き家に逃げ込んだときを思い起こし、恐怖に駆られる。


どこかに黒帝がいるかもしれない。


恐ろしくなって寝床から身体を引きはがした。



「あれ……」



けれどわたしがいたのは、今にも崩れそうで汚い空き家じゃなくて、モノトーンで統一された部屋の中。



「起きたか、ちょうどいい」



そして、目を疑うくらい美形な男の人がそばにいる。


ベッドサイドの椅子に座っているその人。



「ん、食え」



おもむろに顔の前に出された細くて長い指先は、スプーンですくった白いおかゆを口元に差し出している。


何事か理解できなくて、寝ぼけ眼で彼の顔とおかゆを交互に見た。


そこでふと、思い出した。
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