独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「手伝うよ」と言ってくれた樹先生と一緒にキッチンに立った。食材を包丁で次々に刻んでいく鮮やかな手さばきに見惚れながらパスタをゆでて、サラダを作る。ほどなくすると、夕食が完成した。
「いただきます」
ダイニングテーブルに向き合って座り、ふたりで作った料理を口に運ぶ。
「今度、華の着替えやお揃いのパジャマを一緒に買いに行こうか」
「えっ? お揃い?」
お泊り前提の話に驚くと同時に、、クールな樹先生がペアルックをしたがっている事実を知って衝撃を受けた。
「俺とお揃いは嫌?」
「そんなことないです」
慌てて首を左右に振った。
お揃いのパジャマを着てベッドに入る姿を想像しただけで、頬が熱く火照り出す。
そういえば、お揃いの物を身に着けたいというのは独占欲の現れだと、聞いたことがある……。
度が過ぎる束縛は嫌だけど、かわいらしい独占欲はうれしい。
「じゃあ、次のデートはショッピングで決まりだな」
「はい」
樹先生がひとりで住んでいるこの部屋に、私の物が少しずつ増えていくことに喜びを感じながらコクリとうなずいた。