独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「お姉ちゃん、ありがとう」
「どういたしまして。手術がんばってね」
「うん」
ホテルのロビーでふたりと別れた。
嫌な思いもしたけれど、悠太君はかわいかったし、パンダにも癒されたから結果オーライとしよう。
足取りも軽やかにマンションに向かった。
「ただいま」
「おかえりなさい」
玄関で樹さんを出迎え、おかえりなさいのキスを交わす。
「今日はありがとう」
「いいえ。とても楽しかったですよ」
「そうみたいだね」
家に上がった樹さんの後をついていく。けれど『そうみたいだね』という樹さんの言葉が腑に落ちない。
ただ『楽しかった』と報告しただけの私に、すぐさま同調できたのはどうしてなんだろう……。
廊下を進みながら頭をひねっていると、私の知らないところでなにがあったのかを察した。
「綾香さんと会ったんですね」
「うん。呼び出されてホテルのラウンジでお茶してきたんだ。動物園のお土産をもらったから後で一緒に食べよう」
樹さんが手にしていた袋から中身を取り出す。