独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「こちらが、お付き合いしている白石華さん」
一瞬、頭が真っ白になってしまったものの、私の紹介をする樹先生の声を聞き、ハッと我に返った。
「は、はじめまして。白石華と申します。本日はお忙しいところ、お時間を作っていただきまして、ありがとうございます」
心臓がドキドキと高ぶるなか、お辞儀をする。
少しだけ声が裏返ってしまったことが恥ずかしい……。
「樹がお世話になってます。今日は遠いところ、お越しいただいてありがとう。さあ、上がって」
お父様の落ち着いた声が、玄関ホールに響いた。
「はい。お邪魔いたします」
パンプスを脱いで家に上がって案内された部屋に入ると、紙袋から手土産を出した。
「みなさまで召し上がってください」
「お気遣いありがとう。どうぞ。座ってください」
「はい。失礼します」
手土産を受け取ったお父様に促されて、樹先生と並んで白いソファに腰を下ろした。
「今、お茶を淹れるわね」
「ありがとうございます」
お母様が奥に見えるダイニングキッチンに向かった。
大きな窓の外に広がる庭には、色鮮やかな花が咲き乱れている。
「お庭、とても綺麗ですね」
「母さんの趣味なんだよ」
「そうなんですか」
樹先生の説明を聞き、庭を再び眺めた。