同期のあいつ
「おはよう」
「おはようございます」
8時半を回り、フロアも賑やかになってきた。
さあ、今日も1日が始まる。
入社して6年にもなるのに、なぜかこの時間は緊張する。
いくら強気なふりをしてもトラブルは怖いし、電話が鳴ればドキッとする。
あれそう言えば、まだ高田の顔を見ていない。
いつもは早いのに・・・
まあ昨日のこともあるから、顔を合わせないですめばそれに越したことはないか。
「ねえ、萩本さん今日のお茶当番だったわよね?今朝、コーヒー入れた?」
「はい」
可憐ちゃんがお局様に声を掛けられている。
「来客用のコーヒー使ったでしょう?棚にある方を先に使ってって言ったはずだけれど」
「ああぁ」
「それに、ゴミもおいたままだし。やるべき事はきちんとしてちょうだい」
「すみません」
うそ、ヤダ。
私のせいなのに。
お局様が立ち去ったのを見計らって、私は可憐ちゃんに駆けよった。
「ごめんね」
「いいんです」
可憐ちゃんの困った顔。
「でも・・・」
このままじゃあ可憐ちゃんに申し訳ない。
「お願いですから、何も言わないでくださいね」
「うん」
私にだってわかっている。
ここで私が口を挟めば、「何で、鈴木さんにやらせたのよって」さらに叱られるのは可憐ちゃんだものね。
「おはようございます」
8時半を回り、フロアも賑やかになってきた。
さあ、今日も1日が始まる。
入社して6年にもなるのに、なぜかこの時間は緊張する。
いくら強気なふりをしてもトラブルは怖いし、電話が鳴ればドキッとする。
あれそう言えば、まだ高田の顔を見ていない。
いつもは早いのに・・・
まあ昨日のこともあるから、顔を合わせないですめばそれに越したことはないか。
「ねえ、萩本さん今日のお茶当番だったわよね?今朝、コーヒー入れた?」
「はい」
可憐ちゃんがお局様に声を掛けられている。
「来客用のコーヒー使ったでしょう?棚にある方を先に使ってって言ったはずだけれど」
「ああぁ」
「それに、ゴミもおいたままだし。やるべき事はきちんとしてちょうだい」
「すみません」
うそ、ヤダ。
私のせいなのに。
お局様が立ち去ったのを見計らって、私は可憐ちゃんに駆けよった。
「ごめんね」
「いいんです」
可憐ちゃんの困った顔。
「でも・・・」
このままじゃあ可憐ちゃんに申し訳ない。
「お願いですから、何も言わないでくださいね」
「うん」
私にだってわかっている。
ここで私が口を挟めば、「何で、鈴木さんにやらせたのよって」さらに叱られるのは可憐ちゃんだものね。