同期のあいつ

休日~高田鷹文と

一週間、本当に忙しかった。
やっぱり外回りオンリーの勤務は体に応える。

小熊くんの若さを本当に実感した。

「鈴木、大丈夫か?早く帰れそうなら帰れよ」
ヘトヘトの私を見て、いつも意地悪な部長まで優しい言葉をかけてくれる。

「大丈夫です。小熊くんがよくやってくれていますから」
「そうか」

高田が内勤を初めて1週間、
やっと週末となり来週からは地獄の外回りから解放される。


「すまなかったな」
息も絶え絶えに座り込んだ私に、高田が缶コーヒーを差し出した。
「いいわよ。お互い様だし」

今までいっぱい助けてもらってきたんだから、これくらいなんてことはない。

「明日休みだよな?」
「う、うん」

何、休出するつもり?
そんなに仕事が残ってはいないはずだけれど。

「なあ鈴木」
ん?

「明日、時間があるか?」
「うん、仕事?」
「いや、世話になったから、食事でもどうだ?おごる」
「いいよ、ゆっくり休みなよ」

私もしんどかったけれど、高田も残業続きだったはず。
体だってまだ本調子ではないのに。

「俺はもう平気だ。昼でいいか?近くまで行ったらメールする」
「え?」
これってデートのお誘いかなあ?
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