舞い踊る炎使い
あー……なるほど……。

「……ドンマイ!」

俺と陽太は、その後色んな話をしながら、いつもの場所で別れ、1人で登校する。

「燐、おはよう!」

俺のことを全て知る唯一の幼なじみで、同じクラスの朝吹 煌矢(あさぶき こうや)が話しかけてきた。

「おはよう。今日も元気そうだな」

俺は、そう煌矢に言いながら席まで移動して荷物を片付ける。

「元気だよ~……あ、燐……あのさ」

煌矢は、声の音量を下げながら俺を真剣な顔で見つめた。

「何だ?」

「……」

煌矢は、話しづらそうに辺りを見渡す。……まさか……。

だから、俺は煌矢を引っ張って誰もいない場所まで移動した。

「……ここなら話せるだろ?」

「察してくれてありがとう。実はね……」

安心したように煌矢は笑い、一呼吸を置いて話し始める。

「昨日から家に悪霊が現れて、夜も眠れないんだ。だから、母さんが陰陽師である燐を連れて来いって」

「……そうか……」

煌矢の家族は全員霊感が強いし、信頼できる。だから、煌矢の家族には、俺の全てを話してあるんだ。

「分かった。放課後、すぐにお前ん家に向かう」

「了解」

俺の言葉に、煌矢は大きく頷いた。
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