となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
 あれから、山ノ内建設へ行く用件もなく、仕事もめちゃくちゃ忙しく、すでに一か月以上たってしまっていた。

 そして、その日は突然やってきた。


 俺は、猛を飲みに誘おうと連絡したのだが……

 「はあ、何言ってるんだ。今日はバレンタインデーだぞ。聖なる日に、なんでお前と飲まなきゃならない。俺には、甘いチョコレートが待っとるんだ。もう今日は連絡してくるなよ!」

 と、捲し立てスマホは切れた。

 
 人は変わるものだと、初めて実感した。あの猛が聖なる日と抜かしやがる。

 でも、猛をここまで変えた女を凄いと思うし、そんな女と会えた猛の事が素直に嬉しかった。


 仕方ない、一人で飲みに行くか……

 駅までの近道に、公園の中を通り抜けた。

 うん?

 俺は、自分の目を疑った。Uターンしてもう一度見る。
 同じ行動を三回繰り返し、俺は確信した。

 公園のベンチに座る、篠山友里の姿を……

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