となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
ことの発端は、一時間前……
大手企業とはいかないが、業界ではそこそこ名の知れた建設会社に入社しもうすぐ二年になる。
篠山友里(しのやまゆり)二十二歳。
定時に仕事を終え、更衣室で新しいニットワンピースに着替えると、いつもより念入りにメイクをする。紙袋を手にして、急いで会社を後にした。
そう、今日はバレンタインデー。
別に、バレンタインデーに告白するなど張り切っているわけではない。
だって、このチョコレートは、大好きな彼に渡すのだからと、この時は浮足だっていた。
彼は、野村隆(のむらたかし)二十六歳。
取引先の営業マンで、背も高く、やんわりとした笑顔が好印象だ。
かれこれ半年ほど前、月末の処理で残業して帰る際に、偶然、会議で会社に来ていた彼と一緒になった。
「お疲れ様です」
ごく普通に挨拶を交わしただけのつもりだったが……
そのまま食事に行く流れになり……
何度か誘われるうち、夜を共にするようになった。
週に一度ほど、どちらからともなく連絡をとり、仕事帰りに食事に行ったり、休日に出かけたり、ごく普通のお付き合いだと思う。
私は彼が好きだった。
彼も私の事が好きだから一緒にいるのだと思っていた。
大手企業とはいかないが、業界ではそこそこ名の知れた建設会社に入社しもうすぐ二年になる。
篠山友里(しのやまゆり)二十二歳。
定時に仕事を終え、更衣室で新しいニットワンピースに着替えると、いつもより念入りにメイクをする。紙袋を手にして、急いで会社を後にした。
そう、今日はバレンタインデー。
別に、バレンタインデーに告白するなど張り切っているわけではない。
だって、このチョコレートは、大好きな彼に渡すのだからと、この時は浮足だっていた。
彼は、野村隆(のむらたかし)二十六歳。
取引先の営業マンで、背も高く、やんわりとした笑顔が好印象だ。
かれこれ半年ほど前、月末の処理で残業して帰る際に、偶然、会議で会社に来ていた彼と一緒になった。
「お疲れ様です」
ごく普通に挨拶を交わしただけのつもりだったが……
そのまま食事に行く流れになり……
何度か誘われるうち、夜を共にするようになった。
週に一度ほど、どちらからともなく連絡をとり、仕事帰りに食事に行ったり、休日に出かけたり、ごく普通のお付き合いだと思う。
私は彼が好きだった。
彼も私の事が好きだから一緒にいるのだと思っていた。