となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
怒る事だってある
~友里~

 「今夜は、夕食一緒に食べれそうだ」

 眼鏡をかける前に、少し顔を緩ませて言った。


 そうか、今日は一緒に食べられるのか。メニューは何にしょう? 気持ちが浮きだってくる。


「はーい」

 と、出かける彼に返事をした。



 あの、無理矢理の同棲から三週間が過ぎた。


 はじめは驚く事ばかりだった生活も、最近は慣れてきたように思う。
 でも、彼の金銭感覚には慣れず、特売品を買ったり、無駄にお金を使わないようにしている。

 朝食は二人で済ませるが、彼が先に出勤する事もあれば、私が先に家を出る事もある。彼は忙しく、夕食は週に二回位しか、家で食べる事はない。少々寂しいが、彼の仕事を考えると仕方ないと我慢する。

 だから、夕食を一緒に食べれると分かると、つい力が入ってしまう。
 外食が多いだろうから、野菜多めの和食がいいだろうか?


 そして、この三週間で大きく変わった事と言うと、彼との会話で、敬語を使う事が減った。
そして、広瀬さんの事を、一也と呼ぶようになった……

 
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