世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
それから車に乗ること約40分。
到着したのは、見上げるような高層マンションの前。
…ま、前のマンションと同じくらい大きいっ!!
カードキーでエントランスのドアを開ける詩優。
マンションがあまりにも大きすぎるから、思わず立ち止まって上まで見上げる。
「花莉、置いてくぞ」
詩優の声が耳に届いて、慌ててあとをついていく。
眩しいくらいピカピカと光る床、真っ白な汚れひとつない壁、ガラス張りの自動ドアが目に入った。
こ、高級ホテルみたいだ…
広いエントランスをきょろきょろと見渡す。
「ほい」
詩優は自動ドアを通る前にみんなにカードキーを配った。
ぽんっと私の手の上に置かれたカードキー。
なんか……
詩優と一緒に暮らすことになった時を思い出すなぁ。
カードキーをもらった時はびっくりしたっけ。
詩優は私のことを前から知っていてくれたけど、私は詩優に会ったばかりだったから…。
っていうかなんで私は詩優と出会うまで、詩優のことを知らなかったんだろう…
あんなにモテて、あんなにイケメンだったら普通はすぐに存在に気づくだろう。
しかも1年生の時は隣のクラスだったし…
私は気づかないほど周りが見えていなかったのか…
入学式からの詩優を見ていたかったなぁ…