世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





周りにいた男ふたりも倉庫の一番奥で横たわる空木と久我を引きずって、空木さんの近くまで連れてくると「起きろ」と思いっきり頬を叩いた。




「…玲央っ、渉っ」




空木とさんは涙目になりながら体を震わせる。
ぼんやり目を開けた空木と久我。2人ともふらふらしながら立ち上がった。




2人はすごい怪我。
頭から血が出ている。早く手当をしなくては……。





「同時に交換だ。いいな?」


「…あぁ」





銀髪男が空木さんたちの背中を押すと、「行け」と後ろから詩優の声が聞こえてきた。




空木さんが震える足で、涙目で詩優の方へ向かう。空木と久我はふらふらして、今にも倒れてしまいそう。





3人が、どうか無事に詩優のもとへたどり着けますように…

そう祈りながら私たち3人も敵の方へと足を進める。




私を間に挟むように右に明日葉、左には壮くん。
明日葉も壮くんも鼻をすすり、体を小刻みに震わせて泣いているフリ。





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