世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「ここどう?」
詩優は画面を指さして私を見る。
彼が指さしたのは1番後ろの列の真ん中で、他の座席とは少し違う。1番後ろの席だけ2つの席がくっついていて、それが間隔をあけて5つ並んでいる。
そこで、私は“ペアシート”の意味を何となく理解した。
ペアシート、それは2つの席がくっついている座席のことだろう。
詩優と隣の席ならどこでもいいが、周りに人がいなくて詩優と席が近いのはもっと嬉しい。
「うん!!」
私は大きく頷いた。
「決まり」
それから詩優は再び券売機を操作して、お財布を取り出す。
お金!!!!!
それを見た私は慌てて詩優の前に立って、鞄の中からお財布を取り出しお札を機械に入れようとした。
───けど、それはできなくて。
後ろから伸びてきた彼の手が先に券売機の中にお金を投入。
画面に表示された“キャンセル”を押そうとしたが、その手も後ろにいる詩優に制された。
大きな手は画面に表示された“決定”を押してしまい…。
チケットとお釣りが出てきてた。