世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




「確か最後に来た中2の時は、先代に無理矢理連れてこられた。しかも、観たのが恋愛映画で、先代は号泣してるし」




男2人で笑うよな、と言いながら詩優は笑う。
無理矢理、とは言っていたがなんだかすごく楽しそうな思い出だ。




「楽しそうだね」




なんて話しながら1番奥の“6”と大きくかかれたシアターへ入る。




薄暗い空間。
やっぱり、映画館の雰囲気は好き。




「転ぶなよ?」




詩優に心配されながら階段をのぼっていく。
転ぶ心配なんてないのに。




「大丈夫!!」




そう返事をしながら足を動かすと見えたのは……ペアシート。




他の席とは違って、2人がけのソファ席みたいになっている。




…は、初めて見た。
これが…ペアシート、なんだ。




1番後ろの列の真ん中の席に行くと、「どっちがいい?」と聞いてきた詩優。




どっちとは席のことだろう。
右か左か。





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