世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「花莉」
詩優に名前を呼ばれても振り向かない私。
それから何回も連続で名前を呼ばれて、それでも無視し続けていたら…───彼の指が私の膨らませた頬にぷにっと触れて。
ぷしゅーと私の口から空気が抜けた。
「な───────────────」
くるりと詩優のほうを見て、口を開いたところで。
口の中に入れられたポップコーン。
もぐもぐと口を動かすと、キャラメルの濃い味が口の中に広がって。また幸せな気持ちになる。
…たぶん、詩優が今食べさせてくれたのはキャラメルがたくさんついているところ。
「美味い?」
詩優にそう聞かれて私は素直に頷く。
すると、彼はもうひとつポップコーンをとって私の口元に近づけてくる。
私がまた口を開くと口の中へと運ばれるポップコーン。
詩優から食べさせてもらうポップコーンはすごく美味しくて、すごくドキドキして。
映画が始まるまで食べさせてもらっていた私。詩優はそんな私の頭を撫でてくれたりしながら、微笑みながらポップコーンを食べさせてくれた。