世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ








「どうして、俺に『暴走族をやめろ』って言わないんですか」




お風呂から出てリビングへ戻ろうとしたら、聞こえてきた詩優の声。
私は思わず立ち止まり、だめだとわかっていても聞き耳を立てずにはいられなかった。




…詩優のその言い方からして、暴走族に入っている、というのはお母さんに話した…ということだよね!?

じゃあお母さんはそれを知ったうえで私と詩優のことを認めてくれてる、っていうこと!?





ドキドキしながらお母さんの返事を待っていたら、ふふっと笑い出すお母さん。




「夜瀬くん、何か言いたそうだなとは思ってたけど…気になってたことはそれ?」


「…はい」






「私は、若いうちは好きなことをすればいい、って思ってるわよ」


「それが“暴走族”でもいいってことですか」






「確かに暴走族っていうのは危ないところかもしれないけど……夜瀬くんが花莉を大切にしてくれていることに変わりないでしょ?

それに前も言ったと思うけど、夜瀬くんは私にとっても恩人なの。そんな人に『やめろ』なんて言えるわけないわ」





お母さんの声のトーンは明るくて。
全然怒っていない、優しい声。



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