世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「あと、これは私の話なんだけど……
私が高校生の時に初めて好きになった人がね、暴走族に入ってた人だったの。
その人も夜瀬くんみたいにすごく優しい人で、暴走族の中にもこんなに優しい人がいるんだって知ったのよ」
…お母さんの恋愛話。
それは私が聞いたことがなかったこと。
まさか、お母さんの初恋が暴走族の人だったなんて。
驚きだ。
「夜瀬くんが優しい人、っていうのはちゃんと分かってるから。気にしないで、今のうちに好きなことをしなさいね。
大人になるとできなくなることも多いのよ」
ちらりと部屋を覗くと、優しく微笑むお母さんの姿と詩優の後ろ姿が見えて。
彼は「ありがとうございます」とぺこりと頭をさげていた。
「お先でした…!!」
私は濡れた髪をタオルで拭きながら部屋へと入って、今お風呂から出てきたフリ。
すると、詩優はすぐに顔をあげて
「ちゃんと乾かせよ?」
と私に一言。
「うん…!!」
大きく頷くと、お母さんは「夜瀬くんもお風呂どうぞ」とバスタオルを詩優に手渡した。