世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「俺は1番最後で……」
「私は花莉と進路について話したいから、先に入って来ていいわよ」
断ろうとした詩優にお母さんはそう言って、私はドキッと心臓が鳴った。
進路についてお母さんと話すだろうな、とは思っていたけど心の準備ができていなかったから…。それに、進路のことは自分のことなのによくわからない。
これといってやりたいことなんて何もないんだから。
「…じゃあ、ありがたくお先に使わせていただきます」
詩優はお母さんにお礼を言って、お風呂場へと向かっていく。
部屋には私とお母さんの2人。
何を言われるのか緊張していたら、
「風邪ひくといけないから先に髪乾かしちゃいなさいね」
お母さんはドライヤーを出してくれた。
「ありがとう…!!」
ありがたくそのドライヤーを受け取って、使わせてもらう。
その時も私は進路のことについて一生懸命考えた。でも、いくら考えてもやりたいことなんてわからなくて……
ただ、ひとつ思うのは、これから先も詩優と一緒にいられたらいいなって。
…やっぱり、詩優を支えるために就職かな、なんて何となく思った。