世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




私は膝立ちで詩優が顔を逸らした方へとまわりこんで、下からのぞき込む。
ちらっと詩優と一瞬目が合ったところで、彼の口元を両手で覆った。




「竜二さん!教えてくださいっ!」




こうして詩優の口を塞いでいる間に、竜二さんから何があったかを聞く、私の見事な作戦…!!





「これは…────」





竜二さんが口を開いた、その時。




詩優の口元に覆っていたはずの手は簡単にはずされ、 私の肩と足にゴツゴツした大きな手が触れて…。





それからすぐに感じたのは浮遊感。





次に瞬きした頃には、私は詩優の膝の上に横向き座っていた。




「…!?」




あまりにも一瞬の出来事だったから、現状を理解するのに数秒時間がかかる。

恥ずかしくなって、すぐにおりようとしたが肩に添えられた手に力が込められて。
さらにぐいっと引き寄せられてしまう。





「もう暴れんなよ?」





意地悪な笑みを浮かべる目の前の彼。




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