世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「や、やだっ!!おりるっ!!」
必死に抵抗。
詩優の胸を押したり、足をばたつかせたり。
だけどそんな私の抵抗は全く詩優には効かなくて。
ただ足を動かしてもスカートの裾が捲れそうになるだけ。
仕方なく抵抗をやめると、「いい子いい子」と頭を撫でられた。
本当にずるい人。
…あとで仕返しでも考えておこう。とりあえず今は
「……何があったのか教えて」
聞くことが最優先。
詩優はさっき、膝の上に座れば教えてやる、みたいなことを言っていた。だから、膝の上に座っている今ならきっと教えてくれる…はず。
竜二さんと倫也の前でこんなことをする恥ずかしさに耐えながら、詩優と視線を合わせれば彼はやっと口を開いてくれた。
「俺らさ、3時間目の体育でジャージ着ててさ。授業から帰ってきたら、教室に置いといた制服がこうなってたってわけ」
あっという間に終わった説明。