世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




私は詩優の首に手を回して、ぎゅっと強く抱きついた。
こうしたのは、抱きついた方が顔が隠れてキスされないと思ったから。



ぴたりと固まる詩優。
急に石になってしまったかのように……。



……どうしてだか分からないけど、もしかして、今って……かなりチャンス?



攻めるなら今しかない…!!!











そう思った私は詩優の右耳をぱくりと食んだ。





瞬間、ビクリと動く詩優。
私を支える手の力が少し緩んだ気がして、全力で動いたら無事に脱出することができた。




すぐに2メートルくらい詩優から距離をとる。




……詩優って…ひょっとして、耳弱いのかな。
だとしたら、今度から狙ってみよう…。




いつも詩優に負けてばかりだったから、私にも勝機が見えた気がする。




なんだか嬉しくて自然と笑みが漏れてしまう。
そんな私に気づいたのか、詩優は顔を上げて




「…花莉、おいで」




両手を広げて私を呼ぶ。


< 83 / 839 >

この作品をシェア

pagetop