世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
私は詩優の首に手を回して、ぎゅっと強く抱きついた。
こうしたのは、抱きついた方が顔が隠れてキスされないと思ったから。
ぴたりと固まる詩優。
急に石になってしまったかのように……。
……どうしてだか分からないけど、もしかして、今って……かなりチャンス?
攻めるなら今しかない…!!!
そう思った私は詩優の右耳をぱくりと食んだ。
瞬間、ビクリと動く詩優。
私を支える手の力が少し緩んだ気がして、全力で動いたら無事に脱出することができた。
すぐに2メートルくらい詩優から距離をとる。
……詩優って…ひょっとして、耳弱いのかな。
だとしたら、今度から狙ってみよう…。
いつも詩優に負けてばかりだったから、私にも勝機が見えた気がする。
なんだか嬉しくて自然と笑みが漏れてしまう。
そんな私に気づいたのか、詩優は顔を上げて
「…花莉、おいで」
両手を広げて私を呼ぶ。