ワケあり男子
「ご利用されますか?こちらで受付をどうぞ」


カウンターに立っている男の人が声をかけてきた。


長身で黒髪のイケメンさん。


ビクッとすると、ふわっと優しく微笑みかけてきた。


「そんなに警戒しなくて大丈夫だよ。ここは初めて?」


カウンターに頬杖をつき、手招きしている。


初めて会ったのに、そんな気がしない。


どうしてかな…。


知り合いのお兄さんのようなその雰囲気に、なんだか懐かしささえ覚える。


普段の私なら緊張して後ずさるところだけど思わず歩み寄った。


「あの…人と待ち合わせをしてるんです」



「なるほど。登録は後でいいから、ソファでくつろぎながら待ってるといいよ」



カウンターの側にあるソファを指さし、にっこりと微笑む。


わぁ…。


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