ワケあり男子
素敵な人だな…。


顔が綺麗で見とれてしまうのもあるけど、なんだかどこかで見たような気がするの。



「どうしたの?そんなに見つめて」



ハッ。



この人のことを思いっきり観察しちゃってた。



「す、すみません!つい…。どこかでお会いしたことがあったかなあって…」



「どうかな。こんなに綺麗な子と会ってたら、俺なら忘れないはずだけど」



ええっ。



「きっと私の勘違いですね。お仕事の邪魔をしてごめんなさい…」



なんだか恥ずかしくなって俯く。



会ったことがあるかもなんて、何を言ってるんだろう。



「暇だからいいよ。その制服って松風女子だよね。待ち合わせってひょっとして…」



お兄さんがそう言いかけたとき、ちょうど3階に到着したエレベーターから誰かが走って出てきた。


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