蘭蝶 短編集
俺より全然小さい愛美は人波に流されそうになっていて思わず手を掴んだ



「えっ」



『はぐれないよーに』



「あ、ありがとう」



驚いた声に取っ手をつけたような口実



目的地につく頃には人波も大分薄れていた



名残惜しくもあるが、愛美の手を離した



『ちょっと、ここで待ってろ』



近くのベンチへ愛美を連れていき座らせる。俺は水族館の既に買ってあるチケットを水族館内に入れるチケットにする為その場を離れた




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