もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
『きょーせーくんこれあげるっハヅキのたまごタルトっ』
『さっ…さえちゃんひどいよお、ぼくのたまごタルトっ…』
『ハヅキ、うるさいっ!』
『うっ…わああああん』
いつも紗英の隣にはハヅキがいた。
なーんか俺は、それが気に食わなくて
『さえ、あっち行こーぜ!』
『うんっ!』
『さ、さえちゃああああ、待って』
『…もー。しょーがないなー。かわりに折り紙のおかし、あげるっ』
…なんでそんなハヅキばっか見るんだよ。
なんとなく、紗英の隣はハヅキのもんだって思ってた。
でも
こんな諦めの悪い俺も、案外悪くないかも…な。
(…今度いつパンケーキ誘おう…いや…そろそろ違うもんのが、いい…?)