Thidori(そもそも幽霊って成仏するの?)入部編
車一台がやっと通れるくらいの道幅しかない道路をわたしたちは縦に並んで走る。姫ちゃんはずっとうつむいたまま顔をあげようとしない。

「そんなに照れてたら余計に怪しまれるよ」

「照れてなんかないっ顔をみられないようにしてるだけ」

強がりだなー。それに引き換えわたしは辺りをキョロキョロ見回す。夜みると綺麗そうな看板や、時折でてくる車にどんな人が乗ってるのか興味津々である。

ん?向こう側から誰か走ってくるぞ。金髪の不良だ。どうしよう、横に避ける?あ、車が出てきた。避けれない。ぶつかる。そう思って目を閉じると、タッタッタッと金髪の男の子は体を半身にして上手く避けていた。

すごいイケメンだったなー目が細くて切れ長で背もわたしより頭一つ高いくらい。そんなバカな事を考えていたからだろうな。

「まて、コラァっ」

数人の不良達が凄い勢いでこちらに向かってきていることに気づくのが遅れたのは。
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