モブ子は今日も青春中!
私
「本当にいいの?かなめ。」
伊吹さんのマンションの、かたるくんの部屋。初めて入ったその部屋は、少し懐かしいような、でも全然知らない男の人の部屋のような、妙な感じがして、私の緊張を増大させた。
ベッドに座り、キスをする。
かたるくんの手が私の頬に触れる。
私の髪を解き、右耳にもキスを落とす。
触れられたところから肌が熱を帯びる。
かたるくんを見上げ、コクンッと頷く。
「かたるくん…、好き。」
私からの返事を受け取ったかたるくんが、私をベッドに押し倒す。
「ごめん…、ちょっと余裕ないかも。優しくできなかったらごめんね。」
そう言って、かたるくんは私の唇をなぞった。
きっと、これからだって、いろんなことが起こるだろう。つらくて、苦しくて、また私は逃げ出してしまうこともあるかもしれない。
でも、私の人生の主役は、間違いなく私だ。私の信じた道を、後悔なく進みたいと思う。
それに、私は1人じゃない。友だちも、家族も、そしてかたるくんもいる。
「ずっと一緒にいようね。」
そう言って笑い合える幸せを大切に生きていこうと、かたるくんの腕の中、そう思った。