触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
2人で帰って来たもんだからびっくりされたけど帰り道でばったり会ったと奈那が上手く誤魔化してくれた。
「祐翔くん…!その傷どうしたの!?」
擦り傷を見てすぐに涼子さんが反応した。
あたふたする俺に代わり救急箱を出しながらまた奈那が答えてくれる。
「車にひかれそうになった女の子助けたんだって」
「えっ!?それで祐翔くんは大丈夫だったの!?」
「う、うん……かすり傷で済んだんで大丈夫です、女の子も無事でした〜」
明るく答えたから両親も安心したようだ。
手早く傷の手当てをする奈那に小さくありがとうと言う。
手を動かしながら目が合うたびにドクン…!と波打つ。
悟られてはいけない。
両親の前ではまだ、ちゃんとした姉弟で居なくちゃダメだから。
「姉貴……痛い〜染みるぅ…!」
「これくらいのケガで良かったんだからね?あまり無理しないように…!」
「へーい」
素っ気ないフリするけど心は通じてる。
だからニヤけてしまいそうになるからヤバい。
「で、どの辺でそのケガ負ったんだ?運転手とは話したのか?」
いきなり親父がぶっ込んできてドキッとした。
手当てしてくれたガーゼに触れながら必死に考える。
「あぁ……学校近くの公園で…純太の家向かう途中で。とりあえず公園周りだからスピード落とすようには言ったけど?」
ドキドキしながら辻褄合ってるよな!?って自問する。
「もしお前だけじゃなく助けようとした子もケガしてたらどうするんだ?」
「そりゃ病院連れてくし、警察も呼ぶよ?俺が事故の目撃者として話もしなきゃだし…」
「そうだ、お前一人で解決出来るものでもないしな?それにそういう時はすぐに俺に連絡しろ」
「………わかった」
「本来ならお前も治療費もらわなきゃだぞ」
「いいよ、これかすり傷だよ!?女の子守った証なんだ……それでいいじゃん」
「うむ、しかしだな……」