触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「ヤダ……絶対に居なくなんないで……ヒロが全てなの」と胸に顔をうずめてくる。
それは……それは大変嬉しゅうございます。
俺も同じ想いだよ。




ハッと気付いたのか、顔を真っ赤にして離れたかと思えば俺の手を引き、待たせてある2人の元へ連れて行かれる。
事情を説明し先輩の想いは受け取れないと目の前ではっきり言ってくれた。




「だろうね?完全に俺の出る幕ないじゃん……それがよーくわかったよ。キミが居なくなると発狂しそうな勢いだな」




アイツと目が合って「負けたよ」と言われ、認めてくれたようだ。
「幸せになれよ」って幸せにするんだよ、俺が!!




「俺がキミに負けたなんて癪に触るけど、少しでも泣かせたりしたら…」




「それはないです…!絶対手放しませんから」




食い気味に言ったもんだから呆気に取られてる。
2人と別れた後、手を繋いで歩く道のり。
堂々と歩けることが少しくすぐったくて嬉しくてはにかみ合った。




「本当はついてきてるの知ってたよ」




「えっ…!?俺……そんなにバレバレだった?」




「うん、逆に目立ってたし何度も笑いそうになった」




マジかよ……
最初から恥ずかしいやつじゃん。
サングラスとか買っちゃったよ。
ずっと笑われてたんだ。




「でも凄く嬉しかったよ」




本当に……?
帰りの列車の中で……誰にも見られないように小さなキスを何度か繰り返す。
早く帰ってキスより先のことしたいよ。
夕焼けの茜色に染まる車内で強くその手を握り返した。




俺もね、奈那が全てだよ。
ずっと傍に居てほしい。
もう泣かせないから。
その笑顔を守り抜くよ。




だから、この手離さないで……?











< 189 / 409 >

この作品をシェア

pagetop