触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「あの、桜井さんこっち方面じゃないよね?」
「うん、でも末永くんの帰り道一緒に歩きたい……ダメ?」
「え、それは構わないけど……それじゃ桜井さんが帰り遅くなるんじゃ…」
「今日だけだから、末永くんの住んでるとこ見たいな…」
えっ!?
家に来るってことですか!?
それはまだ早いんじゃ……ないですかねぇ?
今日初めて一緒に帰ってるんですよ!?
可愛くて……あざとい。
「改めて聞くけどさ、末永くんってお姉さん…居るじゃない?有名な話だけど」
有名……なんだ。
そりゃ稀に見る美少女、だもんな。
キャッチコピーかよ。
有名過ぎてこの学校で知らない人は居ないんだろうね。
「その、当然ひとつ屋根の下で暮らしてるわけで……毎日顔を合わせてるんだよね」
「うん……そうだね」
「あれだけ綺麗な人だと……どうしても気になるっていうかさ」
「ん……?」
「噂だと再婚同士だって聞くし、その何ていうか……好きになっちゃわないかな?って」
散々周りから聞かれてきたことだ。
奈那はともかく、俺が理性保てないだろだの舐め回すように見てるだの言いたい放題だよ。
ま、否定もしないし態度にも出ちゃってんだろうけど。
いちいち反応してたら身が持たないって言うかキリがないから。
「よく言われるから困ってんだけどそれはないよ、血は繋がってないけどやっぱり戸籍上は姉弟だから。それを充分理解してるしお互いに一線は引いてる」
悲しいほどに交わらないんだよ、俺たち。
周りが思ってる以上に縛られてんだ。
仲の良い両親を見てたら尚更。
心のどこかで困らせたくないって思ってるんだろうね。
「ふーん、そこは誓える?」
お、そうきましたか。
ここはややこしくならないよう言い切っておこう。