触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




ご機嫌なまま就寝した純太のいびきに悩まされる2人。
堪らなくなってホテル横のコンビニで耳栓買って来た。
宏介にも渡すと感謝されたぜ。
いや、宏介くん……キミも早めの就寝を。




静かになった部屋で眠れない夜。




行く……?
俺からは行けない。
待つ……?
何時まで?
今は夜中の1時。
早い……?
ていうかどこで会う……?
ここは無理。
あっちも無理……だよな。




でも……この気持ちどうしよう。
最後に見つめ合った奈那の顔。
頭の中いっぱいに広がってる。
さっきまで会ってたのに……
もう会いたい。
この腕で抱きしめたい。




奈那を感じたい………




あの唇にキスしたいな………




キスした後の顔が見たい………




ほんの少しでいいから、触れたいよ………




想いよ、届けーーー!!!




しばしLINE画面とにらめっこ。
更に30分経過。
待ちきれなくなって写真を見てしまう。
やっぱ可愛いなぁ。
今日もパーク内でキスしちゃったもんな。
恥ずかしかったけど嬉しかった。




あんな嫉妬もしてくれちゃって、どんどん好きになる。
ギャップ萌え多すぎて困っちゃうよ。




今日一日で撮った写真をおさらいしていたらピコン♪と鳴ったLINE。
そのたった一言が俺の心を踊らせる。




(起きてる…?)




奈那からキターーーーー!!!




(起きてる!)




(来れる…?)




(行く)




(待ってる…)




ヤバ、足がもつれる。
急いで部屋を出て行く。
エレベーター、早く来て…!!




10階到着。
ドアの前に来たら静かに開いた。
ひょっこり顔を出した奈那。
やっと会えた。
手を引かれ中に入る。
でも、部屋の奥が気になって仕方ない。
起きてない?





「チカさんたちは…」
小声で話したのに奈那の手が口を塞いで言葉を遮る。
部屋の電気は落としてある。
ドア付近にある小さな照明だけが密会してる2人を照らしていた。




無言のまま奈那からのキス。
啄むだけのキスから徐々に深くなっていく。
抱きしめ合って耳に吐息がかかりドキドキする。
嗚呼……奈那の体温だ。




「起きて何してたの…?私のこと考えてた…?」







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