触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「じっくり…?うん……私は……☓☓☓」




あ、ごめん……シャワーの音で聞き取れなかった。




「え…?」




ギュッと抱きついて2回目は耳元で聞こえるように囁やいてくれた。




「ヒロのが早く欲しい……て言ったの」




ゾクゾクっとした。
堪らなくなって深いキスを落としていく。
時折漏れる吐息はシャワーの音で消えていった。




繋がっている最中でやっぱり奈那は煽ってくる……




必死で快楽の波に耐えているのに、その顔を包んで……




「嗚呼……この顔好き…ハァ……いいよ、中にいっぱい出して」




この顔好きなのは俺の方だよ……
全部持っていく……
この表情……この視線で俺は壊れるんだ……




「私だってヒロのものなんだよ…?証明するにはどうしたらいいの…?」




攻め続けてたら「待って…」と俺を止める。
苦しそうに、立ってるのも辛そうで……
しっかり支える。




「大好きなの……ヒロじゃなきゃダメなの……」




俺もそろそろ限界。
この顔で言われたら……それ、トドメだから。
止まらなくなる。




俺だって奈那じゃなきゃダメだよ…!!




どれくらい攻めただろうか………




「……出るっ」




抱きしめられて少しだけ身体を預けた。
優しく髪を撫でられてキスを落としてくれる。
息を整えながら奈那の鼓動に耳を澄まし、その音に癒やされていく。




キュッとシャワーを止めた。




「さっきの返事…」




「えっ?」




キョトンと聞き返す顔も可愛い。




「俺は奈那のもので、奈那も俺のものなら…その証明って話」




「うん……」




「そんなの簡単に証明されても困る」




「え?」




「だって簡単な気持ちじゃないから、ずっと重ねてきたものは生半可なものじゃない……だから、その都度証明し合えばいいんじゃない?」




少し乱れた髪を耳にかけてあげる。




「今をどんなに証明してもまたきっと不安になる。こうやって触れ合わなきゃ押しつぶされてしまう…」




顎を上げて触れるだけのキス。




「奈那には……その都度証明して欲しいかな…?俺もそうしたい」







< 263 / 409 >

この作品をシェア

pagetop