触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「あ、もしかしてそれ言いに来てくれたの?明日家に持って行ってあげるから安静にしとけってヒロくんからも言ってあげて?すぐ無理しちゃうから…」
俺のせいだ…………
昨日、あんな寒い廊下で待たせたから。
クシャミするまで気付かなかったんだ。
冷たい態度取っちゃったから俺の顔見るまでずっと待ってるつもりだったんだ……
大バカヤロウなのは俺だ…!!
「ヒロくん…?」
「すみません!失礼します!」
頭を下げその場を離れた。
ダッシュで教室に戻る。
途中で桜井さんに名前を呼ばれてハッと我に返る。
「帰るの!?」
「ごめん、俺……今だけは逃したくない…!」
「わかった、担任には体調不良ってことで報告しとく」
「ありがとう…!」
「学級委員ナメんなよ…!」
背中押してくれてありがとう、桜井さん。
臆病なままでフタをしてしまうところだった。
“この私を振るなんて…”って言ってたけどそんなのおこがましい。
最初から相手にされてる覚えはなかったし、あの告白も友達の第一歩だったんだって思っていいよね…?
息を切らして家の玄関を開けた。
靴を脱ぎ散らかし階段を駆け上る。
上った先の奈那の部屋。
息を整えながらドアに触れる。
手を置いて高ぶる気持ちを落ち着かせていた。
コンコン…!
ノックしたの何年ぶりだろう?
いつも奈那の方から俺の部屋に来てたし何か用があれば家の中でもLINEでリビングとかに呼び出してたから。
返事はない。
「姉貴……?熱出たって……?」
シーンとした空気。
やっぱり怒ってるのかな……
都合良いことばっか言ってんじゃねぇよって思ってる……?
もう俺のこと嫌いになった……?
それでもやっぱ今は……顔が見たい。
ちゃんと話したい。
顔を見て、誠心誠意謝りたい。