僕を壊したのは君だから。
プレハブ小屋に誰かが駆け付けてくるまで、すごく長く感じたけど、きっとすぐだった。
「だれかいんのー!?」
扉の向こうからの呼びかけに、朝比奈くんが切羽詰まった声で返す。
「ドア、今すぐ開けて!閉じ込められてんの!」
何人がかりかわからないけど、少しして掛け声が始まった。
「せーのっ」
それと同時に朝比奈くんは、私の体を覆うように今度はしっかりと体操服をかけてくれて。
次の瞬間には、強い光が差し込んだ。
流れ込んできた風を求めるように吸い込む。
……助かった。
「うわ暑!大丈夫かよ!?」
「え、てか宮岡さん、それって服脱いでんの……?」
次々と男子の声が聞こえてくる。
朝比奈くんは体操着をかけられただけの私に覆いかぶさるような姿勢をとった。
「全員後ろ向いて道開けて」
朝比奈くんの声が聞こえたのと同時に私の体が浮きあがった。
「って朝比奈が運ぶのかよ!?無理すんな。俺が代わるって!」
閉じかけていた瞼をもう少し開くと、ぼんやりと朝比奈くんの表情が見えた。