冬〜二人で、ずっと一緒にいようね〜
綺麗な光が辺りを照らし、人々の話し声と笑顔が目と耳に入り込む。その中で、私たちは緊張感に満ちていた。

「僕、転勤することになったんだ」

「転勤?」

突然言われた言葉に、私は固まる。頭が追いつかない。転勤ってどういうこと……?

「転勤って、どこに?」

「イギリス」

日本から気が遠くなるほど離れていることはわかる。ただでさえ会えないことが多いのに、日本とイギリスになったら……。この関係は、続けることができるの?

体が震えて、泣き出しそうになってしまう。その刹那、冷たい唇に何かが触れた。冬樹くんのキスだった。こっそり、冬樹くんはキスをしてくれた。

「冬樹、くん……」

「僕は、離れたくない。だから一緒にイギリスに行こう。……結婚してください」

冬樹くんは、コートのポケットから小さな箱を取り出す。中に入っていたのは、輝くダイヤの指輪。私の目から、悲しみではなく幸せの涙があふれてくる。

「結婚したらもうずっと一緒だよ。二人で、ずっと一緒にいようね」
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