指輪物語 ーあなたの海になりたいー
*苦悶な日々は続く
言葉にならない、意味のわからない……いや、意味は分かっている、その意味を認めたくない、そんなモヤモヤを抱えたまま日々は過ぎていく――――。
「!」
久しぶりの梅雨の晴れ間。
朝練が休みの寛太と一緒に登校すると、目に飛び込んできたのは、知らない男に告白されているヒサ先輩の姿。
はあぁーーーー!?
なんだあれ……。
あまりの衝撃の告白現場に、崩れ落ちそうになる俺。
「ごめんなさい!」
ヒサ先輩は真っ赤になり、そう謝ると走って行った。
な……なんだこの状況……しかも誰だあの男……見たこともない不細工な奴じゃないかっ。