懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
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車に乗ること二時間。久しぶりに亮介のマンションへやって来た。
アパートから持ち込んだ荷物は亮介とコンシェルジュが手分けして運び込み、里帆はただ見守るだけ。ベーカリー工房みなみにいたときもそうだったが、ちょっとした旅行カバンですら亮介が取り上げる。
「このくらい平気ですから」
「ダメだ。里帆は手出し無用」
亮介は里帆をソファに座らせ、素早く片づけを終わらせた。
「里帆、疲れてないか?」
「それを言うなら亮介さんのほうです。大丈夫ですか? 仕事だって忙しいですよね?」
隣に座った亮介の顔を覗き込む。
今日は車の往復だけで四時間。それだけでも大変なのにちょっとした引っ越し作業まであった。里帆の元へやって来たのも突然だと言っていたから、仕事が途中になっていないかと心配だ。
「俺を誰だと思ってる? このくらいで疲れないし、仕事もきっちりやってるよ」
「そうですよね」