懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
今朝もコンシェルジュから〝奥様〟と呼ばれ、ものすごくくすぐったかった。
でもまだ、亮介の父親の許可はもらえていない。亮介は最悪、反対されたままでもかまわないと言っているが、本当にそれでいいのかと里帆は不安も覚える。
「そうだ、結婚といえば」
由佳はそう言ったかと思えば、素早く里帆の隣へ移動した。
「赤ちゃん、できたんだってね! 触ってもいい?」
そっと手を伸ばし、由佳が里帆のお腹に触れる。
「わっほんとだ。お腹がぽっこり。今何ヶ月?」
由佳は目をまん丸にした。
「七ヶ月の後半。五月に生まれる予定だよ」
「そうなんだぁ。里帆がママかぁ。おめでとう」
「ありがとう」
里帆をずっと診ていた伊織から、『命がお腹に宿ったときから、すでに立派な母親なのよ』と言われたことを思い出す。
でも実際には、妊娠がわかったときの里帆には不安しかなかった。