懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


予期しない話に聞き入る。いつでも大人の振る舞いの亮介が荒れるなんて、里帆には想像もつかない。それだけ傷つけた証拠だろう。


「あ、ごめんごめん。暗い顔させたよね。特別な夜だっていうのに」
「特別な、夜?」


今日は、亮介の誕生日でも里帆の誕生日でもない。
なんのことかと里帆が小首を傾げたときだった。


「俺のいない隙に里帆にちょっかい出すなんて上等じゃないか」
「そうじゃないよ。亮介の噂話」
「どっちにしてもろくでもない」


楽しげに笑みを浮かべる隼に亮介が突っ込む。


「無理にこの部屋の予約を取らせておいてそれはないじゃないか」


約一年前、里帆がここへ連れてきてもらったときも、強引に予約をとったと言っていたような気がする。あのときは里帆の誕生日を祝うためだった。

今夜はいったい……?
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