懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
なにを言っているのか要領を得ない。ひとり言のようにつぶやく亮介を見ているうちに、スパークリングウォーターが運ばれてきた。
「それじゃ、乾杯しよう」
真向かいに座った亮介とグラスを傾けて乾杯。ゆっくりとしたペースでコース料理が運ばれてくる。
亮介のくれた花束がテーブルランプを浴びて色合いをやわらかにする。
「ここへ里帆を連れてきたときのこと、覚えてるか?」
「もちろんです」
サプライズで出てきたバースデーケーキは一生忘れない。
「あれは、里帆に男がいるかどうか探るためだったんだ」
「え? 私に彼氏が?」
里帆が目をぱちつかせる。
「真面目な里帆のことだから、直球で〝男いるのか?〟と聞いて〝セクハラです〟とも言われかねない」
「そのくらいで言ったりしないです」