たとえば、こんな人生も
「お二人はせなさんをお願いします
オーナーには俺から連絡いれます」

ガードマンのふたりに指示をしてから
いつきさんは私の手を引いた


「ひなたちゃんはこっち」



――……



「……赤くなってるね。痛い?」

「大丈夫です」


連れてこられたのはいつきさんの仕事部屋

私をここへ連れてきて
「待ってて」と一旦部屋を出ていったいつきさん

多分オーナーと姉さんの所へ行ったんだと思う

しばらくして戻ってきたいつきさんは
ずっと立ちっぱなしで待っていた私を
椅子に座らせると
そっと私の頬に手を伸ばした


そんなことより
私は姉さんの事が気になって仕方なくて

落ち着きなく口を開く


「あの、いつきさん。姉さんは…」

「大丈夫。なにもされてないよ」
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