元カレと再恋愛ってありですか?
まだ奏介の手は紗那の頭の上に置かれていて紗那は自分の頬が赤くなっていないか気になった。
「変わってないな」
「え?変わったでしょ?ほら。大人の女性になったでしょ?」
紗那がふざけて言うと奏介は顔をクシャっとして笑った。

「タイトなスーツ着て。かかと鳴らして、仕事をバリバリこなしてても、紗那の中身は変わってねーよ」
相変わらず口が悪い。奏介は紗那の頭を大きな手で撫でた。




でも・・・
この距離が、この声が、奏介の存在が・・・落ち着く。

12年という月日の長さを感じないくらい、落ち着くと紗那は思っていた。
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