元カレと再恋愛ってありですか?
『ボーノ』
その一言に緊張気味だった奏介の表情が一気に笑顔になる。
奏介が作ったイタリアの家庭料理がやっと認められた瞬間だった。

その場に立ち会えた紗那も目に涙を浮かべながら喜ぶ。

記念に撮った写真は、絶対に店に飾ると奏介はその晩話していた。



「奏介」
「ん?」
「ありがとうね。」
「ん?」
「いつもありがとう。私、支えてもらってばっかりだね」
最後の夜。何となく眠ることが惜しくてベッドで二人寄り添いながら話をする。
「そんなことない。俺は紗那がいなかったらこうして料理してないだろうし。こんな大きな喜びだって幸せだってつかめなかった。お互い様だろ?俺たち。今日だって、紗那が隣にいてくれたから俺は認めてもらえる料理が作れた。」
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