元カレと再恋愛ってありですか?
「・・・」
紗那は観念して奏介に寝室の場所を伝えた。
ベッドに体を横にすると紗那はどっと疲れを感じた。
今にも目がとじそうになる。

「カギは開けたままでいいから・・・かえっていいから・・・ありがと・・・」
紗那はそこまで言うと目を閉じてしまった。

奏介はぐっすりと眠りについた紗那の髪をかき上げた。

12年前よりも痩せた。
大人の女性になったと思っていても、寝顔は昔のままだ。

懐かしい感覚が蘇りこみ上げる想いをこらえきれず奏介は紗那のおでこに口づけた・・・。

12年前の選択は間違っていなかったのだろうか・・・

付き合ったままだったら、こんな風に仕事に追われて体が壊れるようなことはなかったかもしれない。鬼気迫る顔で仕事に戻ろうとしていた紗那の姿が目にやきついて離れなかった。
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