元カレと再恋愛ってありですか?
「紗那っ!」
紗那はその切羽詰まった声に振り向いた。
そこには奏介が珍しく慌てた表情で走ってくる。

「よかった・・・いた」
そう言って自分の膝に手をつく奏介は一体どこから走ってきたのか肩で息をしていた。

昔、剣道部だった奏介。試合が終わった後の姿を思い出して紗那は懐かしくなる。

「どうしたの?」
紗那の言葉に奏介は厳しい表情で、
「心配するだろ。突然いなくなったら」
と一息に告げた。

「ごめん・・・」

その時紗那はオープンカフェのベランダにいて、奏介はベランダの塀越しに紗那を見ていた。

紗那が奏介に謝ると奏介はきょろきょろと店の入り口を探し、店内に入ってきた。

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