上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「羽場ちゃん」

目の前の海を見ながら話していた三上さんが、私に目を向けるのがわかった。私も三上さんに目を向ける。



「俺さあ、羽場ちゃんのことが好きだわ」



えっ?


突然のことに、理解が追いつかない。
ただ、頬が赤くなっていくのだけはわかった。

三上さんは至って平然としていて、ふたたび海に目を向けていた。

「もう人を好きになることなんてないって思っていた。自分が傷つきたくなかったからなんだろうな。好きにならないように、何重にも壁を作っていたんだと思う。
でも、羽場ちゃんを見ていると、気持ちが抑えられなくなる。羽場ちゃんのことが好きだって」

「……な、なんで私なんですか?」

「うーん。些細な理由は山ほどあるんだけど……決め手は、あの涙だよ。俺のことで涙を流す羽場ちゃんを目にして、たまらなかった。もう一度人を好きになってみようって、覚悟を決めた」

「それ、涙を流したのが私じゃなかったら、その人のことを好きになっていたんじゃあ……」

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