上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「三上さんは……まだお相手のことが好きなんですか?」
何気なさを装って聞いてみた。
三上さんはすぐに答えない。
答えを待つその間が、怖くて仕方がない。
「……いや。それは全くない。結婚まで考えた相手だから、当時はいろいろ思ったよ。でも、今はもうそんな気は全くない」
気付かれないように、そっと息を吐き出す。
やっと返ってきた言葉に安堵した。
「当時、俺の中には他人を信じられないとか、信用されたくないなんて、今思えば未熟な部分があった。あれから時間も経って、そんなこともう自分は微塵も思わなくなったと思い込んでいた。それが羽場ちゃんの涙を見て、意識が変わった。俺はあの頃のショックから、完全には立ち直れていなくて、引きずったままだって、気が付いた。
こんな不真面目な上司の情けない話を聞いて、涙を流してくれる子もいるんだって思ったら、このままではいられないって思った」
そうか……三上さんは、婚約者への想いじゃなくて、信頼していた人たちに裏切られたショックを、今もまだ引きずっていたんだ。それに気付いたきっかけが、自分の涙だということはちょっと気恥ずかしいけれど。
何気なさを装って聞いてみた。
三上さんはすぐに答えない。
答えを待つその間が、怖くて仕方がない。
「……いや。それは全くない。結婚まで考えた相手だから、当時はいろいろ思ったよ。でも、今はもうそんな気は全くない」
気付かれないように、そっと息を吐き出す。
やっと返ってきた言葉に安堵した。
「当時、俺の中には他人を信じられないとか、信用されたくないなんて、今思えば未熟な部分があった。あれから時間も経って、そんなこともう自分は微塵も思わなくなったと思い込んでいた。それが羽場ちゃんの涙を見て、意識が変わった。俺はあの頃のショックから、完全には立ち直れていなくて、引きずったままだって、気が付いた。
こんな不真面目な上司の情けない話を聞いて、涙を流してくれる子もいるんだって思ったら、このままではいられないって思った」
そうか……三上さんは、婚約者への想いじゃなくて、信頼していた人たちに裏切られたショックを、今もまだ引きずっていたんだ。それに気付いたきっかけが、自分の涙だということはちょっと気恥ずかしいけれど。