上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
翌日、明日香に連絡を取った。暇をしているからという言葉にあまえて、話を聞いてもらうことにした。

約束のカフェに行くと、手ぐすねを引いて明日香が待っていた。待ち合わせの時間より、ずいぶん早いんだけど……聞けば、案の定かなり前から来ていたらしい。

「もう、いい報告なんでしょ?」

いや、まだ何も言ってないんだけど……
自分のことのように、嬉しそうに微笑む明日香を見ていると、この人には隠し事も嘘をつくこともできないと悟る。

「それで、どういう流れで?」

あえて繰り返すけど、明日香にはまだ何も言っていない。

「……何も言っていないのに、どうして何もかもわかってるみたいな感じなの?」

「ん?だって、私としおりの仲でしょ?これまでのことや、今朝の突然の誘いを考えれば、そんなのわかるわよ。それに、極め付けは今のしおりのその表情よ。幸せいっぱいって顔してる」

「そ、そんなにわかりやすい?」

「うん。今はね。相手が私だからでしょ?隠し切れてないわよ」

うっ……確かに、昨日のことが嬉しすぎて、抱え切れなくなったこの気持ちを話したくて、明日香を呼び出したんだけど……
はあ、明日香には降参だわ。

とりあえず、向かい合わせに座って注文をすませると、昨日のことを話し始めた。

< 212 / 286 >

この作品をシェア

pagetop