上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
私の全てを知っている明日香。きっとこれまで、たくさんの心配をかけてきたと思う。私のためにたくさんのアドバイスをしてくれるし、足の遠のいていた実家にも、一緒に帰ってくれる。誰とも連もうとしない私に、呆れることなくずっと隣にいてくれた。

「ありがとう、明日香。私ね、明日香がいてくれたから今の自分があると思ってる。過去の辛い経験があっても、明日香だからもう一度心を開けたし、実家との付き合いも続けられてる。何より、もう一度人を好きになれた」

「しおり……私ね、しおりにもう一度誰かを好きになって欲しいって、ずっと思ってた。はあ……本当によかった」

私から手を離し、軽く目元を拭う明日香。その姿に、自分も気持ちが高まっていく。そっと自分の目元を拭って、再び明日香に目を向けた。

「明日香。私、もう一度恋愛してみるね」

「いつでも話を聞くし、相談にも乗るからね」

「ありがとう」

「で、哲平さん達には報告したの?」

「えっ!?」

さっきまで漂っていた、しんみりとした空気はなんだった?幻か……
いつのまにか、明日香の目に浮かんでいたウルウルも引っ込んでるし……

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